ATSUSHI (Dragon Ash)


4月23日〜5月10日までTH.C2Fフリースペースで開催されている、“パワー・オブ・ライフ写真展”。
パワー・オブ・ライフとは、生命の素晴らしさ、尊さを様々な形で表現し、多くの人々に考えるきっかけを伝えていくプロジェクトである。 その発起人であり、Dragon Ashのダンサーとして活躍する「ATSUSHI」に、今回のイベントのこと、そして自らのことについて語ってもらった。
1996年にダンスを始め、様々なクラブ等でのイベントに出演。2001年より、“Dragon Ash”のサポートメンバーとして、全てのPV、全てのLIVE、TOURに出演。2003年、“Dragon Ash”に正式加入。
2006年より、ソロダンサーとしても国内外で活動開始。ソロのステージにおいては、様々な動きを取り入れた、Dragon Ashで見せる踊りとはまた違った表現を行う。
今まで、様々なステージで得た経験により、ジャンルや枠にとらわれない踊りと体を活かしたダイナミックな踊りを信条とし、今日のダンサーの在り方を変えることを目指していると共に、日本人ダンサーとしての在り方を常に考えながら活動している。
―POWER OF LIFEについて
まず、パワー・オブ・ライフの活動のきっかけというか、いきさつというか、どうしてこれをはじめようと思ったのでしょうか?
ATSUSHI
結構自分の中で「点」になっていたことがあって。 表現者として踊りをやっていて、何を表現したいんだろう、とか、知り合いのアスリートとかミュージシャンがいて、何か一緒にできたらいいな、とか思っていて。 あとはアニマルシェルターのこと、年間犬猫が33万頭が殺処分されているという現状も知って、どうにかできないかな、と。 そういう、いろんな「点」になっていたことがあったんですけど、ある人に紹介された本との出会いで、千葉県の柏にあるアニマルシェルターにひとりで行って、帰り渋滞で運転しながら、いろいろ「点」になっていたものが「線」になった、という。 これやろう、と。

形にしていくまでは、結構大変だったんじゃないですか?
ATSUSHI
そうですね、大変っちゃ、大変でした(笑)。
写真展みたいなことをやるのは初めてで、しかも見切り発車だったので、表現者として満足感、充実感はありますけど、まぁ楽ではなかったですね。
でも、本当にみんなのお蔭というか、協力してくれる人も多かったので、被写体になってくれた友達のアスリートやミュージシャンをはじめ、スタッフの皆さん、勿論THCにも感謝してます。
今回の写真展の具体的な見どころ、みたいなものはありますか。
ATSUSHI
初めてながら、思い描いてきたイメージにだいぶ近い世界観は作れていると思うので、何となくその空気感が伝わってくれたら嬉しいな、と。 勿論、1枚1枚の写真から出ている生命力的なものを感じとってもらうのも嬉しいんですけど、空間全体としての生命力みたいなものを感じ取ってくれたら嬉しいですね。 写真と言う手法を選んだことで、人によってベクトルも違うと思うし、本当に十人十色だと思うので、その人なりの捉え方で見てくれたらいいかな、と。 押し付けは絶対にしたくないんで。 何かそういう感じで、最初にこれをやろうとしたときも、写真という表現手法を選んだんですよね。 言葉で喋るよりも、十人十色の考えを持ってもらった方がいいな、ということで。
個人的に思い入れのある写真とかはありますか?
ATSUSHI
自分としては、全部に思い入れがありますね。 はじめて自分がディレクションをして友達を撮って、1枚1枚その時のことは覚えてますし。
被写体の顔を写していないのは、何か特別な意図があるんですか?
ATSUSHI
生命力を表現するのに、顔を写すことによって「誰々の写真」みたいなことをわかって見るよりは、その人の生命力を発しているパーツを見てもらった方がいいだろ、と。 特に悩まず、それだけは自分の中で最初に決まりました。

じゃあ、まずとにかく見て、感じて欲しい、と。
ATSUSHI
そうですね。今回来れなかった人も、ずっと続けていくので、何か機会があるときに見に来てもらえると嬉しいかな、と。 何かこう、言葉で声を大にして、生命力は何ぞや、みたいなことを打ち出していくのも悪くないとは思うんですが、自分は表現者として、できるだけアートでそういうものを表現していきたいと思っています。
次はこれやろう、みたいな計画はあるんですか?
ATSUSHI
まだ具体的には決まっていないんですが、何となくのビジョンは描ていて、秋口ぐらいにVol.2ができたら良いかな、と。 その時にはまた、会場貸してください(笑)。
ひとつの形にとらわれないでやっていきたいとは思っていますが、とりあえず暫くは、写真という表現方法を使って表現していこうと思っていて、いずれは写真集にはしたいな、と考えています。
―表現者「ATSUSHI」について
ダンサーとして、この世界に入られたきっかけはどんな感じだったんでしょうか?
ATSUSHI
始めたのは本当に遅くて、もともと完全に体育人間なんで・・・
何をやってたんですか?
ATSUSHI
ずっとサッカーやってたんですよ。本気でJリーガーを目指してましたから(笑)。 だから何かね、アスリートと仲が良いっていうところもあると思うんですよ。
で、何かサッカーが義務になっちゃって、嫌だな、とか思い始めて。 高校三年生くらいだったんですけど。 そのとき、たまたま地元の奴らがみんなダンスやっていて。 そこに誘われて行ったのがきっかけです。 最初はダンスをやりたい、というよりは、人に強制的に連れて行かれた、みたいな。 で、やっているうちに踊りの魅力とか、踊りの世界の現状をいろいろ知って、はまっていった感じですね。 だから最初は、よくいる・・・駅とかで踊っていたりするじゃないですか、完全にあれです。
でも、高三って・・・
ATSUSHI
めちゃめちゃ遅いです。
めちゃめちゃセンスがあったってことですよね?
ATSUSHI
いや、全くセンスはないと思います(笑)。
人にちゃんと習ったこともないですし。。
本当ですか。 そこから、今に至るまでは?
ATSUSHI
もともとストリートダンスの世界で、ブレイクダンスやったりしてました。 ダンスグループを作って、クラブのイベントで月2回ショーに出る、とか。 ギャラ無しで。
そのうち、いろいろと現状を知って、どうにかしなきゃならないな、というようなことも思うようになった時に、RIP SLYMEと仲良くなって、彼らもすごい面白いことをやっていたんですよ。 それで一緒に遊ぶようになって、彼らがDragon Ashのツアーに呼ばれて、これは一大事だと。 それで初めて見たんですね、Dragon Ash。 それが20歳くらいの時で。 それで何か、あぁ、こういうところにダンサーが入ったら、ダンスの世界も変わるのにな、とか色んなことを考えているうちに、Dragon Ashとも仲良くなって、理解してくれて、一緒に・・・気付いたらDragon Ashになってた、みたいな(笑)。
それで、Dragon Ashでいろいろやっていくうちに、踊りとは何なのか、自分は何を表現したいんだろう、とかを考えるようになって、Dragon AshはDragon Ashとしてやりながら、ソロでもやるようになった、という。 ソロに関しては、海外でもどんどんやりたいという気持ちが強いですね。
Dragon Ashとソロでのスタンス、モチベーションの違いはどの辺りですか?
ATSUSHI
Dragon Ashでは外への開放、ソロでは内面的な解放というか。 それぞれで自分のアウトプットの形を変えてるんで、両方違った楽しさがあります。 そういう意味で、今回の写真展の世界観は、ソロでのアウトプットの感性に近いかもしれないですね。
ATSUSHIさんは、表現者としてやりたいことがかなり出来るポジションにいらっしゃると思うんですけど、若者に「どうしたらATSUSHIさんみたいになれますか」みたいな質問をされたら、どういうふうにアドバイスをしてあげますか?
ATSUSHI
折れない気持ちで頑張る、っていうだけじゃないですか。 強い気持ちを持ってやるっていう。 本当に、単純論なんで(笑)。 考えてる暇があったら行動しろ、と。
そのために俺はこれをやった、みたいなことは具体的にありますか?
ATSUSHI
俺、才能がないので。 でも、努力する才能はなくはないかな、と思っていて。 努力することは最低限、絶対に必要なのかな、と思います。
練習、という意味ですか?
ATSUSHI
そうですね、踊り的にはやっぱり練習ということになりますね。 常に努力し続けるっていうことが一番、自分の中で昔から思っていることですね。
努力すれば、必ず夢は叶う……
ATSUSHI
みたいな(笑)。 その気持ちがどれだけ強いかだと思います。
今までの仕事の中で、特に印象に残っている仕事、ターニング・ポイントになっている仕事はありますか?
ATSUSHI
ソロでいったら、去年、ミラノコレクションで踊ったことがすごく楽しかったですね。 いいプレッシャーがあったし、いいステージだったかな、と思います。
より、海外を含めてソロでも力を入れて活動していきたい、と。
ATSUSHI
そうですね。 やりたい気持ちはめちゃめちゃ強くなった。
あと、Dragon Ashでいえば、最初に一緒に仕事をしたPVの撮影とかははっきり覚えてます。 あとは2001年にロック・イン・ジャパン・フェスティバルに最初に出た時、初めて武者震いというものを感じましたね。 初めて5万人とかの前に立って、「うわ〜、楽しい〜」みたいな。
「ロックスター」っていう映画がありましたけど、リアルにそれですよね(笑)。
最後に、このインタビュー記事を見てくれている人にメッセージをお願いします。
ATSUSHI
自分は、あまり言葉といういう表現方法は使わないので、踊りなり、写真なりを見てもらって、いろんなものを感じてもらえれば嬉しいなと思っているので、ソロの踊りにしろ、Dragon Ashでの踊りにしろ、パワー・オブ・ライフ写真展にしろ、興味を持ってくれた人はぜひ足を運んで欲しいと思います。
聞き手:清水伸彦
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