山本精一『画展』


想い出波止場、羅針盤、赤武士、PARAなど多くのユニットを率い、かつBOREDOMS、ROVO、MOST、YA-TO-Iなど主にギタリストとして数多くのプロジェクトに参加しているミュージシャン、山本精一氏。いわゆる「うたもの」からアヴァンギャルドなノイズ・ミュージックまで守備範囲も幅広く、そしてそれぞれでの職人的なプレイも高く評価されており、いま日本で最も優れたギタリストの一人であることは先ず誰も疑わないだろう。
その山本氏の才能が文章に、そして画にまで及ぶことは、これまであまり知られてこなかった。99年に発売された『ギンガ』という本は、音楽誌の連載に書き下ろし小説やイラスト、写真などをまとめたとても不思議な作品であったがそのまま絶版になっており、ファンの間では幻のアイテムとなっていたままだった。そんな中昨年、京都で初の画展を開催し、新しいファンの前に山本氏の画を初めて広く触れさせることとなる。そしてこのたび『ゆん』が、約10年の時を経て、第2エッセイ集として発売されたのである。
それに合わせるようにして、TOKYO HIPSTERS CLUBの2Fフリースペースで、山本精一氏による「画展」が、2008年3月15日(土)から3月30日(日)の期間開催された。多くの新作および未発表作を含む約50点、とリリースされていたが、廊下に貼られたドローイングなどを含めると実際は100点近くの作品が展示され、後半にはさらに作品が追加、最終的には135点に及ぶ膨大なプレゼンテーションとなった。

いわゆる文人画の手法をメインとして、和紙やネパール製手漉き紙に、油彩やパステル、グワッシュ、そして色墨を使って描かれた画は、山本氏の弾くギターと同様、多種多様なイメージを放っている。販売していた作品は、初日から飛ぶような勢いで売約済となっていった。
また、初日である15日の夜には、現代美術家の大竹伸朗氏とのトークショー(→該当インタビューページにリンクを貼って下さい)が行われ、音楽の話を中心としながらも2人のマニアックかつ幅広い話題に会場は大いに盛り上がった。また20日にはミュージシャンの大友良英(ミュージシャン)とのデュオでのライブが、30日にはOHPIAによるレーザーライティングと共にソロ・パフォーマンスが行われ、どちらも多くのファンで賑わった。

文・内沼晋太郎


